著書 明るい逆参勤交代が日本を変える
~ 働き方改革と地方創生の同時実現~
編者の三菱総研の松田智生氏から出版の案内をいただいたので、
予約していたものが届きました。
その中から、50プラス起業ネットワーク石川の活動に関連するところをピックアップしました。
本の写真は、https://www.amazon.co.jp/ のサイトより
逆参勤交代とは
大都市圏社員の「地方での期間限定型リモートワーク」のことをいいます。
江戸時代に行われた参勤交代では、江戸に藩邸が建設され、全国に街道が整備され、江戸に関係人口が増えました。
逆参勤交代では、東京から地方への人の流れを創ることで、地方にオフィスや住宅が整備され、関係人口が増加することを目指しています。また、逆参勤交代社員は、通勤時間が短くなり、ゆとりある環境で仕事に取り組むことが可能になります。
ということから、地方創生と働き方改革を同時実現するアイディアといわれています。
※関係人口 本ブログ末の資料参照
逆参勤交代の形態
逆参勤交代には、目的や参加者の年代に応じて多様なモデルがあり、代表的なものとして、下記のモデルが挙げられています。その概要と対象年代を記述します。
1.ローカルイノベーション型
ローカルイノベーション等新規事業のプロジェクトチームの集中合宿 20~40代
2.リフレッシュ型
高業績社員のモチベーション向上、メンタルヘル改善や復職に活用 20~60代
3.武者修行型
将来の経営幹部が地域の課題解決に参画 20~40代
4.育児・介護型
育児や親の介護対応での実家近隣での勤務 20~60代
5.セカンドキャリア型
シニア社員のセカンドキャリアの出向や転籍に活用 40~60代
共通する部分が多いセカンドキャリア型
セカンドキャリア型は、50プラス起業ネットワーク石川の生きがい・働きがいの支援と共通する部分が多いので、もう少し詳しく説明をします。
この型は、首都圏の企業に勤める中高年齢層(40~60代)が自らのスキルを活かして地方の企業や自治体で、半分出向のような形で勤務するモデルです。
地方での仕事が評価されれば完全出向や完全転職になっても良いし、あるいはその経験を活かして企業に戻り新たな戦力となることも可能としています。
※完全出向や完全転職が挙げられていますが、50プラス起業ネットワーク石川の活動
として、経験や地元(地方)との繋がりを活かし独立(起業)をすることも選択肢
として考えられると思っています。
地域のメリット
逆参勤交代における地域のメリットとして下記の4つが挙げられています。
1.関係人口の増加 ※資料参照
観光資源が少ない地域でも、観光以上移住未満の関係人口を増やすことで、地域に活気をもたらすことが可能
2.担い手不足の解消
人口減少により不足している地域のリーダーやサポーターの担い手として期待できる。
3.リモートオフィス、住宅、ITインフラの需要創造
地方にリモートオフィスや住宅の建築需要が生まれることや、既存の公共施設、空き家、古民家の活用やリノベーションの機会となる。
4.未来人材育成
街づくりは人づくりといわれ、逆参勤交代者が将来の担い手たる地域の若者のために知識や技術の提供だけでなく、さらに、風の人としても多岐に渡り貢献できる分野がある。
※風の人 資料参照
企業の反応 ~ 逆参勤交代に社員を参加させたいが7割 ~
経営幹部アンケートからみた逆参勤交代より
1.自社社員を逆参勤交代に参加させたい企業が
大企業(従業員1000人以上)では、
「参加を強く希望する」が15%、「参加してみたい」が53%で約7割に参加意向があることがわかった。
中堅・中小企業(従業員1000人未満)では、参加意向は約4割に留まる。
2.逆参勤交代の形態ではセカンドキャリア型が高い
どの形態に関心を持っているかでは、セカンドキャリア型が大企業で39%、中堅・中小企業で38%でともに一番高い。
3.セカンドキャリア型の逆参勤交代に関心がある理由は
「シニアのキャリア転換の機会創出のため」が、大企業で75%、中堅・中小企業で47%、大企業と中堅・中小企業では差があるものの一番高くなっている。これは、65歳までの再雇用に対応するため、定年を機会にシニア社員のキャリア転換を促しているが、その転換の機会の一つとして考えていると分析している。
資料 関係人口とは
総務省 関係人口ポータルサイト https://www.soumu.go.jp/kankeijinkou/about/index.html より
移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉です。