帰ってきたら私に
聞かせてもらいたい。
能登のある会社の社長が
自ら金沢へ研修に来られているので
思いだしたのが
同じ能登の治郎右衛門さんの話です。
故渡部昇一氏の著書 人生を創る言葉
~ 古今東西の偉人たちが残した94の名言 ~
この話は、上記の著書に「治郎右衛門」として記述されているものです。
同じ能登の人ということで思い出しました。
話の概要は
能登に、治郎右衛門という大きな農家を営む人がいて、
彼は、情け深く、雇い人に対しても常に労わりの心で接してました。
「お前たちが働いてくれるから、私たちが楽に暮らしていけるのだ」と、
心から雇い人に感謝をするような人だったので、
雇い人たちも一生懸命に働いたそうです。
治郎右衛門は、真宗の信者であり、
近所の寺で説教があるときは、いつも雇い人たちに仕事を休ませ
「どういうことを聞かせてくださったのか、
帰ってきたら私に聞かせてもらいたい。」と言って
聞かせにやっていました。
説教を聴きに行った雇い人たちは、
帰ってから主人に説教の内容を話さなければならないから、
自然と気を入れて説教を聞き、何度も聞くようになると、
知らず知らず身についてきて、雇い人たちの精神教育にもなりました。
世間から相手にされないような不良でも、治郎右衛門の家に奉公すると、
いつの間にか真人間になってしまうとことでした。
どんな内容だったか、あとで聞かせてほしい
と言って、社長が研修に社員を送り出し、
そして、それを社長だけでなく、他の社員も一緒に聞くことで、
研修に参加した人はもちろん、他の社員にも勉強になるといえます。
また、研修に参加した社員が他社との違いを知ることや
参加(企業や社員)との交流の機会にもなるのではないでしょうか。